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ダイハツ ハイゼット S321V
引き取りに行った時には、エアコンのコンプレッサーがカチカチとON・OFFを激しく繰り返していたということでした。
まずは、現象をしっかり確認します。
エアコンを入れると、コンプレッサーがONになり、冷たい風が出始めました。
引き取り時に出ていた症状が出ず、冷たい風が出たので、しばらくエンジンをかけながら経過を確認します。
すると、しだいに微妙にぬるい風が出るようになりました。
コンプレッサーはしっかり回っていて、水も排出されていますが、冷えが弱くてコンプレッサーも回り続けていました。
エアコンはエバポレーターという冷たくなる部品が一定温度よりも低くなると、凍結を防止するためにコンプレッサーをOFFにする制御があるので、それほど冷やされていないということです。
冷えが悪いという症状は出ましたが、発生している内容が違うので、慎重に点検をすすめます。
冷媒ガスの圧力を点検。
左が低圧側「0.2MPa」 右が高圧側「1.3MPa」
圧力的には正常範囲にあります。
配管等一通り点検していると、高圧側の配管が冷たく、結露が出ていました。
一方、正常時に冷たくなる低圧側は熱い状態です。
完全に低圧と高圧の配管の状態が逆転しています。
圧力は正常範囲でも、冷媒ガスの量が適正量入っているかはわからないので、一度ガスを回収して適正量で点検しなおそうかなと思い、整備書などで色々確認など30分程ほかの作業をして、再度エンジンをかけると・・・しっかり冷えるようになってしまいました。
数十分経っても、冷えており、症状が出なくなってしまいました。
この状態では、低圧側が冷たく、高圧側は熱いですし、ガス圧力も正常範囲(上記写真と同じ位)となり、その後何度か症状が出るか確認しましたが、やはり症状は出ないまま。
特に何も整備はしていないので、原因が掴めないまま、様子を見ていただくことになりました。
なんともすっきりしないですが、再度症状が出たときは、しっかり修理させていただきます!
追記(2016年10月)
ハイゼットのエアコン不良の検索が多いです。
この車両はその後の修理は実施していませんが、おそらく高圧パイプの圧力センサーが取り付けられている部分にあるフィルターの詰まりが原因です。
フィルターの径が小さく、汚れが詰まり、不具合が発生します。
エアコンシステム内は汚れが発生しにくいといわれてますが、結構汚れが出るようです。
やはりエアコンシステムのメンテナンスも必要なのでは?と思わせる事例です。
エアコンリフレッシュでこの不具合の予防が期待できます。