いつもご覧いただきありがとうございます。
古河市内から車検整備でご入庫いただきました。
今回が初回車検となります。
【点検】
エンジンルームの点検からご紹介します。
エンジンはR06AとS-エネチャージによるシンプルハイブリッドとなります。
まずはバッテリーチェック。
アーガス バッテリーアナライザーで「充電状態・劣化テスト・始動能力テスト・充電能力テスト」の4項目を診断します。
結果は良好です。
エンジンオイルも最近交換されたとの事で汚れもありませんし、量もOK。
エアクリーナエレメントなどの消耗品・定期交換部品も問題ありません。
冷却水の量もFULLの少し上くらいで問題ありませんが、冷却水の色が気になり取り出してみると
左が今回のワゴンRの冷却水で右がスズキのスーパーロングライフクーラント(青)。
本来であればワゴンRも青い冷却水(長寿命タイプ)が入っているはずです。
あとでお客さまに確認したところ、冷却水の量が減っていると指摘されて補充したとの事。
その時に通常のLLCを入れたと思われます。大きな性能低下はないとは思いますが、今後は少し注意して見ていった方がいいですね。
水量が減っていると言われたとの事でしたが、漏れは今のところ見られないので冷却水量は定期点検をおすすめします。
【整備】
今回は特にこれといった整備が無いので、車検時に推奨している基本整備のブレーキ装置の清掃やグリスアップについて詳しく紹介しようと思います。
まずは各部を洗浄して綺麗にします。
紙やすりでブレーキパッドの表面を軽く磨きます。
ブレーキパッドは高温にさらされて表面が硬化しているので新しい面を出すイメージで軽くヤスリがけしています。
角を削ったりなどの処置はしていません。
洗浄が終わったら各部にグリスを塗っていきます。
ブレーキシムに薄くぬりぬり
ガイド部も接触する部分にうすーくぬりぬり
シム部と違うグリスを使ってます。
あとはスライドピン部もグリスをぬりぬり
これも違うグリスを使用してます。
この部分はブレーキをかけたときに動く部分なのですが、メンテナンスをしていないと固着して動きが悪くなり、パッドの偏摩耗の原因になります。異常に摩耗が早くなるので不経済です。(片側だけ減っていても基本的に両側セットなので)
組み付けて完成です。
これを4輪、ドラムブレーキ(後側)も同じように洗浄・グリスアップを実施しています。
ブレーキメンテナンスを実施したらブレーキフルードを交換。
あとは車検時におすすめしているエコリフレッシュキットを添加します。
潤滑系・燃料系・冷却系の3系統に添加剤を入れて、徐々に劣化していくエンジンコンディションの劣化スピードを緩やかにします。これを定期的に行うことで10年後のコンディションをいい状態にしていきます。
整備完了後、検査・コンピュータ診断を実施して作業完了です。
スズキ車はメーカー純正診断機「SDT-2」でコンピュータ診断しています。
搭載されている各コンピュータに記録されている「故障コードの点検」とエンジンECUの暖機後のアイドリング時の「データモニター点検」を車検時に無料で行っております。
現在はエンジンのデータは連続したデータを取っており、3000rpm時のデータも記録して保管しております。
車検は点検・整備・検査の3セットとなっており、同じ車検ですが、「点検」「整備」は全く同じにはならないので、価格以外も必要な判断材料がたくさんあるので、車検を受けるときはどのような「点検」「整備」を実施しているのかをしっかり把握することをおすすめします。
ご入庫ありがとうございました。
【カテゴリー】車検・点検