日産 ムラーノ TNZ51
H23年 128,000㎞

古河市より法定点検でご入庫いただきました。
エンジンルーム点検


バッテリーの点検。

点検結果は「要注意」です。
健全性(劣化度合い)が33%となっており、1年程度で交換時期になる可能性があります。
H29年(8年前)に交換したようなので、年数的にも交換時期となってきています。

エンジンオイル量はFULL位置よりも少し多い状態でした。


今回、オイル交換を実施しました。
当社ではプロステージSというエンジンオイルを入れております。

廃油量は4.3Lで少し多めでしたが、他社様にて前回オイル交換を実施されているので、増えているかの判断は難しいところです。

CVTフルード量の点検。
2年前に当社で交換させていただいており、汚れ等もなく良好です。

ブレーキフルード量がやや少ない状態でした。
ブレーキフルードは、おそらく車検時に交換作業を実施していたと思われ、画像のMAX位置まで通常入れるのですが、その下のタンクの合わせ位置までの量でした。
法定点検項目のブレーキ装置各部を点検しましたが、液漏れなどは見られなかったので、MAX位置まで補充を実施しました。
今後も定期的に液量の点検をおすすめします。


冷却水量、パワステフルード量の点検。
いずれも適量入っており問題ございませんでした。

エアクリーナエレメントの点検。
2年前に交換させていただいており、汚れ等も少なく良好な状態です。



ヘッドカバー付近にオイル滲みが見られます。
2枚目画像中央付近にブローバイガス還元装置のホースがありますが、その辺りにオイル滲みがみられることから、ブローバイガス量が増加しており、それに伴って吸気装置へのオイル流入が増えている可能性があります。
ブローバイガスは通常発生するものですが、ピストンやシリンダといったエンジン内部の摩耗・劣化により増加する可能性があります。
現状、大きな影響はありませんが、徐々にエンジンが消耗してきている兆候なので、エンジンオイル交換などのメンテナンスが大切になります。
しばらくは経過点検で問題ないかと思います。

補機ベルトの点検。
ひび割れはありませんが、中程度の劣化はみられます。
オートテンショナー機構のため劣化は緩やかで走行距離の増加も少ないので、7年程度の間隔での交換をおすすめします。
足回り・下回り点検




前側ブレーキ装置の点検
ブレーキパッドの残量が5.2mmと半分程度の摩耗となります。
2年前が5.8mmでしたので、緩やかですが残量は減ってきています。
目安として4mm以下になってきたら交換をおすすめします。


左右フロントロアアームブーツ(サスペンション装置)のひび割れが大程度あります。
ブーツが切れてしまうと車検合格のために交換が必要となりますので、おそらく次回車検時には整備が必要となると思われます。


左右タイロッドエンドブーツ(ステアリング装置)にひび割れが中~大程度みられます。
こちらもロアアームブーツと同様ですが、ロアアームブーツほどのひび割れが大きくなっていないため、整備はもう少し先になるかもしれません。


フロントドライブシャフトインナーブーツ(動力伝達装置)からグリス滲みがみられます。
インナーブーツ内部のジョイントを保護するグリスが劣化により液状化していることと、ブーツの劣化・バンドの締付力低下によって外に滲み出ている状況です。
特に左側は量が多く周辺にグリスが飛び散っています。
遅くても次回車検時には整備が必要となり、今後も長く使用を予定している場合は早めの整備をおすすめします。
今回はお客さまに確認して後日、分割ブーツにて交換を実施させていただきました。


ステアリングラックブーツ内オイル滲みが小程度みられます。
2年前の点検時にもみられた箇所で、ドライブシャフトのグリスが付着していて分かりにくい状態ではありますが、それほど進行はしていないと思われます。



後側ブレーキ装置の点検。
リヤブレーキパッドの残量は5.8mmでした。
2年前は6.3mmで、徐々に摩耗が進んでおります。
前側同様、4㎜以下を交換目安にしてください。


その他の箇所で大きな異常はみられませんでした。
2年前にみられたCVT(ミッション)オイルパンのオイル滲みも進行はみられないので問題ないかと思います。
また、基本部分の点検・整備として、ライト点灯点検やタイヤ残量点検・空気圧調整、ブレーキ装置清掃、ウォッシャー液の補充等実施して問題ございませんでした。
以上で点検完了となります。
ご入庫ありがとうございました!