ホンダ N-BOX JF1
H29 80,000㎞

今回は今時期から増えてくる「エアコンリフレッシュ」をご紹介します。
概要は↓をご参照ください!

このエアコンリフレッシュは「エアコンシステム内の冷媒ガスの状態や充填量を正常な状態に戻す作業」です。
この作業によって、エアコンシステムへの負荷を減らしたり、エアコンが不調のときは不具合特定の鍵になります。
作業の流れは「①エアコンガス回収→②回収ガスの再生・配管内真空引き→③リークチェック・オイル補充→④重量管理によるガス充填」となり、全自動で機械がやってくれます。
①エアコンガス回収
エアコンガスの回収はおおよそ80~90%で、今回は170g回収でしたので、約200g入っていたと推定できます。
N-BOXの規定量は320±25gなので、おおよそ120g程度減っていた状態です。
この回収された量をしっかりチェックすることで、ガス漏れの可能性などを判断することができます。
回収されたエアコンガスはコンプレッサーオイルが混じっているので、機械で分離します。
このコンプレッサーオイルの量も測定しております。
今回は5ml程度でした。
②回収ガス再生・配管内真空引き
回収したガスは様々な不純物を含んでいるので、このガスを高純度に再生します。
新品のエアコンガスの純度は99.7%ですが、このエアコン機器は純度99.99%まで再生しています。

このガス再生と同時に、配管内の真空引きを行います。
ポンプで配管内を真空状態にして、余分な水分を沸騰させて排出します。
当社では20分~30分程度かけて、しっかりと真空引きを実施しています。
③リークチェック・オイル補充
真空引き後に1分間のリークチェックを行います。
漏れがある場合は真空状態が維持できず圧力値が変化するので、そこを自動判定してくれます。
その後に、コンプレッサーオイルを補充します。
当社ではオイル量が一定のオイル缶ではなく、「①で回収したオイル量+α」を計測してオイル補充しています。
今回は10ml補充しました。
(大型車だと30ml~50ml程度回収する場合があるので、オイル缶では足りない…なんてことが起こります)
コンプレッサーオイルはどの程度入っているのかを点検することが出来ないので、必ず回収量+αを入れて、オイル不足にならないようにしています。
④重量管理によるガス充填
エアコン機器が制御・重量管理しながら、②で再生したエアコンガスを充填していきます。
これでエアコンリフレッシュ完了です!

今回は、パワーエアコンプラスとドクターリークも添加しました。
また、当社ではエアコンリフレッシュ施工前後にエアコン性能点検を実施しています。

一定の条件にするために、ドアを開けて点検します。
点検項目は「冷房性能点検」と「圧力点検」です。
「冷房性能点検」では吸込口温度と吹出口温度を測定して、どのくらい冷やせているのか?を点検します。


温度計の上が吸込口温度、下が吹出口温度で、
左の画像が施工前、右の画像が施工後です。
施工後は【吸込温度-吹出温度=約20℃】冷やせているので、優秀な部類になります。
施工前と比較すると吹出口温度が3℃程度低くなりました。
(吸込口の温度が低ければ、その分吹出口温度も低くなりますし、ドアを閉め切ったり、風量を弱めれば吹出口温度が低くなります。なので「一定条件にすること」と「吸込口温度を測定すること」が大切なんです)
「圧力点検」では高圧側と低圧側、2系統の圧力を点検します。


施工後の高圧側が1.52MPaと施工前より高くなっています。
これはガス量が多くなったからだと思います。
(圧力はガス量だけでなく、外気温やエアコン装置の状態によって変化するので、圧力だけで正確にガス量を把握することは難しいんです)
エアコンリフレッシュは冷え不良などの症状が出ていないと効果を体感できないことが多いですが、エアコン性能点検の実施や結果報告書をお渡しして、施工前後の違いもわかりやすく説明できるように努力しております!

ご入庫ありがとうございました!