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日産 マーチ AK12 H21 69,000km
【エンジンルーム点検】
エンジンはCR12 4速ATです。
H22までのモデルなので、最終型となってます。
モデル後期だと同時期には最新技術を搭載した車種などがあり、そちらの方が魅力的ですが、後期型は故障が少ないメリットがあり、個人的には好きです。(コストカットでダメになる部分もありますが)
中古車をお求めの方は後期型が良いと思います。
アーガス バッテリーアナライザーで充電状態・劣化テスト・始動能力テスト・充電能力テストの4項目を診断します。
点検の結果は良好でした。
エンジンオイルはかなりの汚れ具合です。
オイル量は半分弱くらいなので、致命傷にはなりませんが、オイル劣化は確実にエンジン寿命を縮めます。
メーカー指定交換時期はだいたい15,000kmまたは1年くらいが多くなっています(軽・ターボ車は除く)が、エンジンオイル量点検は日常点検項目なので適正量を常に維持することが前提です。
また、エコ走行(中低速走行から停止直前までブレーキを踏まずに減速するような運転)はオイル劣化しやすく、燃焼室内の負圧が高い状態が維持され、エンジンオイルが吸い上げられ消費するので、オイルの性能は良くなっているのと同時に、劣化しやすい・量が減りやすいという現状から当社では5,000kmごとの交換をおすすめしています。
(この現象によるメーカー保証期間の延長などが結構出ていることからも、メーカー指定交換時期で大丈夫!と言い切れないと思われます。リコール、保証期間延長などの措置が採られてないエンジンでも3,000kmで油圧警告灯が点灯ということがあるので、オイル量の点検はしっかりしましょう。)
(最近のエンジンには、吸気バルブのリフト量などによる吸入空気量の制御を行う機構が搭載されているもの(トヨタのバルブマチック など)があり、負圧が低減されてオイル吸いがなくなると期待しているのですが・・・技術の成熟に期待しましょう。)
エアクリーナエレメントはやや汚れが溜まっています。
今回は清掃しました。
【足回り・下回り点検】
フロントブレーキ関係は良好です。
ロアアームブーツはひび割れが目立ってきています。
次の車検では交換が必要な段階になっていると思われます。
リヤブレーキ関係はライニングの残量が少なくなっています。
ホイールシリンダー(油圧により作動する部分)の液漏れなどはありませんが、ライニングの磨耗粉が結構溜まっていました。
【整備】
エンジンオイル&オイルエレメントの交換。
使用エンジンオイルは「ワコーズ プロステージS 0W-30」
優れた洗浄分散性能でエンジン内部の汚れを取ってもらいましょう!
車検時のプチリフレッシュにおすすめしているエコリフレッシュキットも添加させていただきました。
補機ベルトの交換
バンドー テンションマスターで固有振動数を計測して、張力を適正値に調整しています。
日産車は整備書に振動数が記載されているので、手間が少ないです。
実際は張力から振動数に変換する計算が必要なんです。
点滴のように洗浄剤を吸わせて吸気系・燃焼室を洗浄する「RECS」の施工。
エンジンリフレッシュだとセットする位置が難しそうなので、今回はRECSをおすすめしました。
エンジンリフレッシュとRECSの違いはこちらでご確認ください。(弊社HPに飛びます)
吸気系・燃焼室はカーボン等で汚れやすいのですが、通常の定期交換部品の整備だけでは綺麗にすることは出来ないため、このようなメンテナンスが必要となります。
RECSではスロットルバルブを洗浄することが出来ないので、オプション整備としてご提案させていただきました。
スロットルボディがエアボックスに取り付けられている変わった構成です。
そのせいでガスケット類の交換が必要になるので、部品代分割高になってしまいます・・・。
スロットルバルブを専用のクリーナーで綺麗にしました。
アイドリングの安定化には必須の整備ですので、定期的な実施をおすすめしております。
洗浄が終わったらガスケット類を交換して組み付けします。
スロットルバルブを洗浄するとアイドリングが高くなるので、スキャンツールで吸入空気量学習を実施。
ATF交換も実施させていただきました。
コンタミチェック(AT内異常磨耗点検)
結果は良好。
黒ずんだ変色が見られる場合は、ATFにクラッチの磨耗粉が含まれている状態なのでATF交換が出来ない(交換すると不具合が顕在化する)ことがあります。
トルコン太郎(ATFチェンジャー)をオイルクーラーラインに接続して圧送式交換を行います。
右が交換前のATFの状態となります。
交換暦が不明でしたが、ATFはそれほど汚れがひどい感じではありませんでした。
使用オイルは「アイシン AFW+」
使用量はその車種のATF容量を基準に決めています。
オイルラインから送られてくる古いATFを回収して、新油を補充していきます。
交換完了後、アイドリングでATFを循環させて簡易クリーニング(約30分)
右が交換後のATFの状態となっています。
最後にレベルゲージで量を確認・調整して完了です。
ブレーキフルードの交換
ベーパロックによるブレーキ力低下・不能の原因となるため、2年ごとの定期交換推奨となっています。
かなり汚れが溜まっていました。
風量の低下(ブロアファンの負荷増加)、においの原因となるので、1年または12,000kmごとの交換をおすすめします。
マーチの場合、フィルターのクリップ(写真のC部分)が割れやすいので、作業しやすいようにグローブボックス類を取り外しております。
その他、リヤワイパーゴム交換など実施させていただき、整備完了となります。
コンピュータ診断や完成検査を実施し、車検整備完了です。
ご入庫ありがとうございました。
津軽オートサービスHP→http://tsugaru-auto.co.jp/
トルコン太郎による圧送式交換紹介→トルコン太郎(ATFチェンジャー)を導入しました
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