ノア 車検 小山市

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トヨタ ノア AZR60
H14 160,000km

栃木県小山市より車検整備でご入庫いただきました。

【点検】

エンジンルームの点検からご紹介します。
エンジン型式は1AZ-FSEとなっており、直噴エンジンになっています。
超希薄燃焼を実現する直噴エンジンとしてデビューしましたが、2004年のノア・ヴォクシーのマイナーチェンジで理論空燃比燃焼のみとなりました。
早い話が燃料と空気の割合を空気をすごーく多い状態でも燃焼出来るようにして、燃焼効率や燃費の向上を図ろうとしたら、カーボンが発生しやすくなってエンジントラブルが多かったので、結局ちょうどいい燃料と空気の割合での燃焼に戻った。というわけです。
このあたりの直噴エンジンがあるからこそ、今のダウンサイジング直噴エンジンがあるんでしょうが、やはり直噴エンジンはエンジンコンディションを維持するために、より気を配る必要があります。

 


バッテリーの点検。
アーガスのバッテリーアナライザーが故障してしまったので、代役登場。
このテスターもCCAを計測するので、しっかりとしたバッテリー診断が可能です。
点検の結果は良好です。


エアクリーナエレメントがかなりの汚れ具合です。
交換推奨です。


スパークプラグは長寿命プラグとなってます。


エンジンのタイミングチェーンカバーとシリンダヘッドガスケットのT字の継ぎ目からオイル滲み。
この部分はどのメーカーでも滲みが出てくる個体が多いですね。


エンジンオイルはLOWよりも少ない状況。
オイル滲みによる減少も少しありますが、多くはオイル燃焼による減少でしょう。


冷却水のホースジョイント部とウォーターポンプから水漏れがあります。
補機ベルトもひび割れがありませんが、ゴム自体の劣化が見られます。


リフトアップして足回り・下回りの点検。



フロントブレーキ装置の点検。
15年経過による劣化等はありますが、車検合格には問題ないレベルです。
ブレーキパッドの残量は5.8mm。乗り方にもよりますが、2~3万キロは大丈夫そうです。



スタビライザーのリンクブーツが切れているので、これは整備が必要となります。


左ディファレンシャルサイドオイルシール付近(ドライブシャフト挿入部)にオイル滲みがあります。
2年前も滲みがあった箇所で、現状維持なので今回も様子をみてもらいます。




リヤブレーキ装置の点検。
ライニングが摩耗することで発生するダストが結構溜まっています。
ドラム式ブレーキの場合、ダストの逃げ場がないので、ドラムとライニングの間にダストが入り、線状の偏摩耗が発生しやすくなります。
定期的にダストを清掃するだけでも、ブレーキ装置のコンディション維持できます。


下回りの点検。
各部チェックしていきます。

点検完了後、点検結果とお客さまのご用命などから整備内容をお見積り。
整備内容をお客様と相談して決定していきます。

【整備】


エンジンオイルの交換。
最近は廃油量を計るようにしています。
当社でオイル交換をしていただいているお客さまであれば、何キロ走行で何リットルオイルが減ったかが正確に把握できます。この計測の積み重ねでオイル消費量の変化・エンジン状態の把握ができ、故障する前にメンテナンスで対策することが出来るかと思います。


廃油量は1.4リットル。
注入量は4リットルですので、2.6リットルもの差がありました。
これが、燃焼によるオイル消費なのか、漏れなどによるものなのか、元々の注入量がもしかしたら少なかったのか・・・当社でオイル交換をしていただいているお客さまであれば、はっきりわかるのですが、他店様で交換している場合は正確な所まではわかりません。


使用オイルは「プロステージS 0W-30」
オイルとしての性能はもちろんですが、燃焼時にカーボン・デポジットになりにくいエンジンオイルです。
+エコリフレッシュキットも添加です。


エアクリーナエレメントの交換。



ウォーターポンプの交換。
補機ベルトの他に、オルタネーター(発電機)を取り外して、ABSアクチュエーターのブラケットをずらしてウォーターポンプを交換します。
軸部分のメカニカルシールから水漏れしてました。
補機ベルトも新品に交換しました。
作業が重複する箇所なので、技術料(工賃)はかからず部品代だけになります。
こういった部分はお客さまに提案させていただき、交換の有無をご確認させていただいております。




ヒーターホースのT字ジョイント部からの水漏れでホース交換。
取り外し時にプラスチックのジョイントがポキっと・・・。
最近の車種でもプラスチックが多く使われていますが、もっと耐久性のある材質のものの方が良い気がします。



車検時の基本整備となるブレーキ装置のメンテナンスを実施して、ブレーキフルードを交換します。



サスペンション装置のスタビライザーリンクの交換。


仕上げにエンジンリフレッシュの施工。
吸気系・燃焼室のカーボンなどの汚れを洗浄します。

あとは発炎筒など交換して整備完了です。

コンピュータ診断でエンジンのデータ点検しましたが、空燃比補正が「-10%」以上になっており、あまり良い状態ではありませんでした。
エンジンリフレッシュ後も大きな改善は見られない(効果は100km走行後となってます)ので、添加した燃料系洗浄剤の効果も期待しつつ、1年後の再施工も考えたほうがよいかもしてません。

完成検査は問題なく、車検完了です。

エンジンオイルが段々減少して半分以下になっても、燃料をプログラム上から10%減らさないと理想的な燃焼の排気ガス状態にならない状態になっても、車検には合格してエンジンもいつも通り動いていることも多くあります。
クルマも人間と同じく症状が出ていないから、健康で病気もなく問題ないとは言い切れないので、点検からわかる小さな変化から、しっかりクルマのコンディションを把握して、定期的なメンテナンス・リフレッシュ整備を行うことで、愛車に長く乗ることが出来ます。

「乗れるまで、このクルマに乗りたい」
多くのお客さまがこのようにおっしゃっています。
当社では、「乗れるまで」を出来るだけ長く、安心・安全にお乗りいただけるようなサービスを提供できるように心がけております。

ご入庫ありがとうございました。

   【カテゴリー】WAKO'S プロステージS, エンジンリフレッシュ・RECS, 車検・点検
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