いつもご覧いただきありがとうございます。
エアコンが冷えなくなってしまったということでご入庫いただきました。
それでは点検していきます。
まずは現象確認。
エアコンをつけてもコンプレッサーが入りません。(カチッという音がしない)
コンプレッサーが入らない原因はいくつかあるのですが、今回はヒューズが切れていました。
ヒューズを交換すれば完了!なら良いのですが、ヒューズは過電流が流れたときに装置の保護のために切れるので、過電流が流れる原因を突き止めなくてはなりません。
マグネットクラッチというコンプレッサーのON/OFFを切り替える装置の回路図とにらめっこ。
1.2Ω
温度により変動はありますが、かなり低い値です。
12Vで10Aの電流が流れるので、ヒューズが切れるのも当たり前です。
点検の結果、マグネットクラッチのショートによりヒューズが切れてエアコンが効かなくなったようです。
今回は修理方法を3パターン「マグネットクラッチ交換・コンプレッサー交換(リビルトor中古)」用意し、金額と修理方法による違いなどを説明させていただきました。
お客さまと相談の結果、今回はコンプレッサー交換(リビルト)します。
まずはエアコンサービス器機「PS134」を接続してエアコンガスを回収します。
エアコンガス310gとコンプレッサーオイル20ml回収しました。
配管のボルトのトルク管理が難しいのでフロントバンパーも外しちゃいます。
コンプレッサーの取り付けボルト3本と配管のボルト2本を外してコンプレッサーを摘出します
注意事項の書いてある用紙です
配管の取付がスタッドボルト+ナットからボルトになったので、ボルトがない場合は同梱のボルトを使ってね!という内容です。
今回の車両は元々ボルト固定だったのですが、腐食があったので同梱のボルトを使いました。
コンプレッサーを交換する場合はコンプレッサーオイル量を調整する必要があります。
リビルトでも新品でもコンプレッサーにはオイルが規定量程度封入されているため、古いコンプレッサーに入っているオイル量より多い場合は抜き取らなければなりません。
古いコンプレッサーには25ml入っていて、ガス回収時に20ml回収したので
配管取付ボルトの腐食・錆具合が結構あります。
コンプレッサ固定ボルトも規定トルクで締付。
真空引きをやりながら取付作業をしていきます。
真空引き30分+リークチェック30分と時間がかかるので時短です。
補機ベルトも張り直しになるので、テンションマスターで再調整。
リークチェックは問題なし、エアコンガスを規定量450g正確に充填して交換作業は完了です!
エアコンの作動状態や圧力を最終確認。
ばっちり冷えています。
以上で作業完了です。
ご入庫ありがとうございました。
【カテゴリー】一般修理