ティーダ エアコン修理 古河市

いつもご覧いただきありがとうございます。

日産 ティーダ C11
H22 11万km

エアコン修理で古河市内よりご入庫いただきました。

症状としては、冷風が出なく、生ぬるい状態ということでした。

お預かりして点検を実施していきます。
まずは現象を確認。
・風は冷たくもなく、暖かくもなく、生ぬるい
・風量や温度の変化に異常は見られない
・コンプレッサーはマグネットクラッチがONし、作動している
・コンプレッサーから異音あり
・車内(エキスパンションバルブ)からシューと音がしている
このような状態でした。

次にエアコンの性能点検をしていきます。
エアコンサービス機器「PS134」を接続してガス圧力を見ていきます。


高圧側「0.54KPa」 低圧側「0KPa付近」 外気温22℃
ガス不足っぽい圧力値ではありますが、他の不具合でも同じような圧力値になることもあります。
続いて冷房能力も点検します。

吸込口温度「23.6℃」 吹出口温度「23.6℃」
まったく冷えてません・・・

現状を把握したところで、次の点検へ。

こういったエアコン故障診断の時こそ力を発揮するのが「PS134」
ガスを一旦回収することで、エアコンシステム内にあるエアコンガス量(目安)を把握すると共に、真空引き後の簡易気密チェックを行い、規定量を再充填します。
回収量「約60g」
気密チェック「異常なし」
充填量「450g」

エアコンガスをきっちり規定量充填したところで、再度性能点検を実施します。
「エアコンガスが規定量ちゃんと入っている」←ここがミソです。
エアコンガスが規定量入っている状態で圧力値に異常がある場合・ない場合で原因の切り分けが出来るんです。


高圧側「1.25KPa」 低圧側「0.17KPa」 外気温25℃

吸込口温度「23.4℃」 吹出口「9.4℃」

数値は正常範囲となり、冷風も出るようになりました。
コンプレッサーやエキスパンションバルブからの異音もなくなりました。

というわけで、ガス量が低下して冷えない症状が出たと判明しました。

ここからガス量が少なくなってしまった原因を探していきます。
方法としては、エアコンシステム内に入っているコンプレッサーオイルに蛍光剤が含まれている車種(今は多くの車種に入ってきています)では、紫外線ライトを照射することで、漏れている箇所が発光して漏れ箇所が特定できます。
ティーダも蛍光剤が入っているので、紫外線ライトで探っていきます。
蛍光剤が元々入っていないお車でも、後から補充することもできます。

まずは、点検しやすいエンジンルームから。
コンプレッサーやコンデンサ、各配管を点検しましたが、異常はなし。
ということは、エアコンユニット内(車内)が怪しいってことになってきます。
ただ、エアコンユニット内を点検するのが難しく、簡単に出来るのはエアコンフィルターを外してエバポレーターの片面を点検したり、排水ホースから蛍光剤(オイル)が流れていないかなどを見ていきます。




エアコンフィルターを外して、鏡などをつかってエバポレーターを点検。
すると、エバポレーターの上部に光る部分がありました。

これは取り外したあとのものですが、蛍光剤が光っているのが見えると思います。

原因が判明したので、修理の見積り作成です。
プランとしては、エバポレーター交換による完全修理と漏れ止め剤添加による補修の2パターンを作成しました。
お車の状態・走行距離・年式やお客さまの考え方、予算などによって、どちらが良いのかは変わってきます。

今回は、お客さまとご相談させていただき、エバポレーター交換になりました。

というわけで、交換開始!
インストルメントパネル(ダッシュボード)を外した先にエアコンユニットがあるので、どんどん外していきます。

外れました。

エアコンユニットを分解して、エバポレーターを取り外します。


エバポレーターが見えてきました。


き、きたない・・・!
エアコンフィルターを潜り抜けたゴミやほこりと結露水でカビっぽくなってます。

新品と交換して、元通りに復元していきます。
途中でエアコン配管内を真空引きして、長めにリークチェックしながら復元して効率アップ!
エアコンフィルターも交換時期だったので、交換させていただきました。
真空引き後、コンプレッサーオイルを30ml補充して、エアコンガスを430g充填します。
この作業もエアコンサービス機器「PS134」で正確に実施できます。


ガスを充填したら、ワコーズのエアコン用潤滑添加剤「パワーエアコンプラス」を添加。
「パワーエアコンプラス」はオイル5mlとガス20g入っているので、オイル35mlとガス450g入れたことになります。

交換作業後、エアコンの冷えを確認して、試乗走行して異音などでていないか確認して完了となります。
これからエアコンをフル稼働させる時期になります。
エアコンガスが減っていると、冷えが悪くなってくるのですが、運転している方が体感するまでに、コンプレッサーが回り続けて冷やす性能の悪化をカバーしているので、コンプレッサーの負荷増加や燃費の悪化を招いています。4年に1度くらいはエアコンリフレッシュをおすすめします!

   【カテゴリー】エアコンリフレッシュ, 一般修理
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