いつもご覧いただきありがとうございます。
花粉もピークを迎え大変ですが、作業は気合を入れて取り組んでます!
古河市内より車検整備でご入庫いただきました。
トヨタ ヴァンガード ACA33
H20年 110,000km
エンジンは2AZでアルファードやエスティマなどにも搭載されているエンジンです。
この頃の2AZはオイル消費が多く、無料修理措置がとられています。
http://toyota.jp/recall/kaisyu/141126.html
オイル交換する前にレベルゲージを確認して、量が少ない場合はトヨタディーラーで点検・無料修理の実施をおすすめします。
今回ご入庫いただいたお車はすでに修理済のようです。
現在のオイル量も良好でした。
まずはバッテリーチェック。
アーガス バッテリーアナライザーで「充電状態・劣化テスト・始動能力テスト・充電能力テスト」の4項目を診断します。
寿命テストの結果が要注意となっています。
経年劣化による寿命なので、1年以内の交換をおすすめします。
エアクリーナエレメントの汚れが多くなっています。
エンジンに取り込む空気を綺麗にするフィルターで、汚れなどが溜まってくると目詰まりを起こします。
マスク1枚であれば呼吸は出来ますが、何重にもすると呼吸が困難になるのと同じく、エンジンも空気を吸う量が減り、加速不良などの症状が発生してきます。
こちらは冷却水のリザーブタンク。
冷却水の量が少なくなっています。
一通り漏れがないか点検します。
見にくいですが、ラジエータから出ている細いホース(リザーブタンクにつながっています)
ここから薄く冷却水が乾いた跡がありました。
圧力がある程度かかっても漏れることがなかったため、今回は様子を見ていただきます。
当社にご入庫する機会がある場合は、その都度点検させていただき、適切に判断・提案をいたします。
タイヤの残量は問題ありません。
フロントブレーキ装置の点検。
ブレーキパッドの残量やピストンブーツは異常ありませんが、スライドピンがやや硬くなっています。
スライドピンはブレーキキャリパーがスムーズに動くために必要なのですが、内部のグリスが劣化したりすると固着してしまいます。
リヤブレーキ装置はブレーキパッドも前回の車検時に交換させていただいているので、異常なしです。
サスペンション装置では、スタビライザーのリンクロッドブーツが切れていました。
こちらは整備が必要となります。
その他の各ブーツ類、ブッシュ類は大きな劣化などはみられません。
点検結果とお客さまのご用命・ご要望からお見積を作成。
お客さまにご連絡・ご説明をして、整備内容を決めていきます。
「車検合格に必要な整備」が車検時の整備に占める割合は意外と少なく、多くは定期交換が必要な部品やメンテナンス(お車の状態を良くする整備)なんです。
車検(検査)は、安全・環境などに対して法律で定めた範囲の性能・状態にあるかどうかなので、本当に最低限と考えていただいて良いと思います。その後のお車の状態を保証するものでもありません。
したがって、当社のような民間車検場(指定工場)や認証工場では、「点検」「整備」を車検時に行っております。
ただ、「車検合格に必要な整備」以外はその整備をしなければ車検に合格できないわけではないので、実施の最終判断はお客さまにしていただきます。
【整備】
決定した整備を進めていきましょう。
クーラントブースター(冷却水性能復活剤)を補充。
劣化の早い防錆性能や消泡性能を復活させて、交換しなくても2年間冷却水(ロングライフクーラント)の寿命を延長させます。
スーパーロングライフクーラント(長寿命冷却水)でも防錆・消泡性能はどんどん劣化するので、2年ごとの注入をおすすめします。
冷間時でFULLレベルに調整。
今後の定期的な量点検をおすすめします。
ブレーキ装置のグリスアップ(車検ごとのメンテナンス推奨)。
ブレーキパッドシム部、ガイド部、スライドピンにそれぞれ違うグリスを塗っています。
スライドピンは動きが悪かったので、これで良好な作動状態となると思います。
スライドピンの固着は2枚のブレーキパッドの減り方が不均等になったり、制動力が不安定になります。
ブレーキフルードの交換(車検ごとの交換推奨)。
4輪のブレーキ装置にプラグがついており、ブレーキを踏むと圧力でプラグからブレーキフルードが出てきます。
そうすると、配管内のブレーキフルードが新しいフルードに入れ替わっていきます。
こちらはスタビライザーリンクロッドの交換。
スタビライザーはカーブでのロールを押さえる役割があり、旋回時の車両が安定します。
ジョイント部(ブーツが付いている箇所)やブッシュ類が劣化してくると、グググやギギギといった異音が出ることがあります。
エアコンフィルターの交換(1年または12,000kmごとの交換推奨)
フィルターに落ち葉が溜まっていました。
ご自宅の駐車スペースの上に木があり、落ち葉が入り込んでしまっているようです。
駐車位置を変更するか、内気導入にすることで落ち葉が入り込むのを防止できるかと思います。
エアコン装置内に入り込んでしまうと、異音やにおい、故障の原因になるので、注意が必要です。
新車状態ではエアコンフィルターが付いていない車(ダイハツなど)もあるので、みなさん一度愛車の状況の確認を!
その他、発炎筒の交換を実施して整備完了です。
検査では問題はありませんでしたが、コンピュータ診断で何点か過去の故障コードが記録されていたので、データを保存して消去させていただきました。
おそらく、過去の作業時に入力されたものなので、様子を見ていただきます。
ディーラーでもデータをしっかり管理しているところは少ない(たぶん)と思うので、そのときの入庫で情報が途切れ終わってしまいます。
当社では、次につながる車検や点検、整備を心がけて、きめ細かいサービスを提供できるようにしています!
【カテゴリー】車検・点検