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スズキ ワゴンR MH23S
H20 42,000km
古河市内よりエアコン修理でご入庫いただきました。
症状は冷え不良で、昨年は問題なく使用していたが、今年も暑くなってエアコンを使い始めたら冷えなくなってしまったとの事でした。
では、点検してきましょう。
PS134を接続してエアコンの性能点検を行います。
外気温は約25℃、湿度は70%。
外気温が20℃以下だと性能点検の判別が難しくなるので、エアコンシステムの点検・メンテナンスは夏場がおすすめです。
高圧「0.57KPa」 低圧「0.08KPa」
冷媒ガス圧力は低い数値になっています。
吸込口温度「28.8℃」 吹出口温度「29.3℃」
全くといっていいほど冷えてません・・・
ここで、エアコンリフレッシュを施工。
ガスの回収(元々の充填量の把握)と規定量充填をすることで、原因の絞込みが可能となります。
ガスは40~50gほどしか回収出来ず、規定量充填後は・・・
冷媒ガス圧力も正常値、冷えも良好になりました。
ガス漏れによる冷え不良の線が濃厚になってきました。
漏れ箇所を点検していくのですが・・・
エアコンの結露水が白濁しています。
回収してみるとこんな感じ。
コンプレッサオイルが結露水と一緒に流れているようです。
エバポレーターからのガス漏れで間違いなさそうですね。
この不具合は保証期間延長されていて、9年まで保証修理が可能です。
http://www.suzuki.co.jp/about/recall/2015/1218b/index.html
保証期間延長についてはこちらでご確認ください。
ということで、スズキディーラーに連絡して保証受付と部品の手配を依頼。
エバポレーターの交換を当社で実施します。
と、同時に
結露水回収点検のリフトアップ中にオイルパン付近に水漏れ発見。
ウォーターポンプからの水漏れもあったため、こちらも修理することになりました。(これは有償です)
では、エバポレーター交換作業に取り掛かりましょう!
ワゴンRもインストルメントパネルを外す必要があります。
時間はやはりかかりますが、ティーダよりもやり易いです。
エアコンユニットを外したら、エバポレーターを交換していきます。
エバポレーターはオイルがかなり付着していました。
エバポレーターの下にある白いプラスチックも交換です。
新品のエバポレーターを装着して、エアコンユニットを組み付けて、元にもどしていきます。
同時に真空引きを行って、長めの気密チェックをしておきます。
取り付け後、問題がなければコンプレッサオイルの補充を行い、エアコンガスを規定量充填します。
リコールもあったコンプレッサオイル不足によるコンプレッサ焼き付きが怖いので、ワコーズパワーエアコンプラスも添加させていただきました。
エアコンの冷えもバッチリとなり、ひとまず保証修理は完了です。
あとはウォーターポンプも交換。
フロントバンパーを取り外して、ウォーターポンプにアクセスしやすくします。
補機ベルトやコンプレッサーの取り付けボルトをはずして、ウォーターポンプを取り外します。
合わせ面からの漏れでした。
新しいウォーターポンプを装着して、補機ベルトも一緒に交換しました。
「バンドー テンションマスター」での張り調整もだいぶ慣れてきましたね。
経験の浅い自分には無い、職人のカンを持っている整備士もいるとは思いますが、正確な張力は、音波計やテンションマスターがないと難しいと思います。
以上で整備完了です。
今年はなぜかエアコン系の修理が早いうちから多いですね。
みなさんもエアコン本格始動の前に、点検・メンテナンスをおすすめします!