日産 ムラーノ Z51
H23 120,000km
古河市より法定点検でご入庫いただきました。
10万Kmを超えてきてお車の状態や過去の整備履歴をチェックして、今後良い状態で乗るために必要な整備を実施したいとのことでしたので、点検ですが3日間お預かりしての作業となりました。
それでは点検をしていきましょう!
バッテリーの点検。
アーガス バッテリーアナライザーで「充電状態」「寿命テスト」「エンジン始動能力テスト」「充電システムテスト」の4項目を診断します。
寿命テストの結果が59%。
良好の範囲内ですが、少し劣化がみられますね。
ブレーキフルード、冷却水の液量は良好です。
どちらも車検時の交換やメンテナンスをおすすめする液ものです。
パワステフルードの液量も良好な範囲内です。
エンジンオイルの量はFULLのちょい上(105%)です。
年間5,000㎞で1年前の車検時に交換されているようですので、ちょうど交換時期ですね。
CVTフルードは少し多い感じですね。
過去の記録簿をチェックしたところ7万Km時に交換しているようなので、そこから5万㎞。
こちらも交換時期です。
スパークプラグの点検。
長寿命タイプのスパークプラグなので10万㎞での交換が推奨となります。
3年前の車検が10万㎞なのですが、その時の記録簿が見当たりませんでした。
スパークプラグの状態からその時に交換されているようです。
エアクリーナエレメントの点検。
こちらは汚れや異物がたまってきているので、交換おすすめとなります。
そのほか各部点検しましたが、大きな異常はありませんでした。
リフトアップして足回り・下回りを点検してきます!
フロント足回りの点検。
ブレーキパッドの残量は5.8mm。
半分弱摩耗してきておりますが、年間5,000kmなのでまだまだ使用可能です。
(ご入庫とご入庫の間の走行距離が多いと早めの交換をご提案せざるを得ない状況となり、経済的負担が増えてしまいます)
その他の各部も大きな異常はありません。
リヤ足回りの点検。
ブレーキパッド残量は6.3mm。
こちらも良好の範囲内ですね。
ブレーキキャリパーのオーバーホールも実施したいところですが、ブレーキフルード交換が必要になるので車検時に実施をおすすめします。
(通常車検ごとにブレーキフルード交換を実施するため)
タイヤの残量は7.6~7.7mmと十分な残量です。(2022年製)
下回りの点検。
大きな異常はありませんでしたが、劣化などがみられる箇所も何点かありました。
サスペンション装置のロアアームブーツにひび割れが少し見られます。
1度ロアアームASSYで交換歴があるようでしたが、少しずつひびが入ってきています。
今すぐ問題となるレベルではありませんが、定期的な点検が必要ですね。
ステアリング装置のタイロッドエンドブーツにもひび割れが少しあります。
補機ベルトの劣化も小~中程度みられます。
ひび割れはありませんが、茶色くなっていました。
CVTオイルパンに少し滲みが見られます。
ここは増し締めして清掃しましたので、今後は経過点検となります。
ステアリングギヤのラックブーツ付近にオイル滲みとブーツの劣化がややみられます。
こちらも経過点検ですね。
リヤは大きな異常はありませんでした。
デフオイルは交換歴が無さそうなので、トランスファオイルとともに今回交換おすすめとなります。
あとは今回初入庫でしっかり見てほしいとのことでしたので、コンピュータ診断も実施しました。
各コンピュータに故障コードはなく、空燃比補正も小さく、燃焼状態は悪くないようです。
点検が完了したら、整備内容をリストアップしてお見積りを作成します。
見積書の内容を確認していただいてから整備を進めます。
エンジンオイル、オイルエレメントの交換。
抜取量は4.3L。
当社では交換前後のレベルゲージ量と抜取・注入量を毎回計測して記録しています。
理由としては、オイルが燃焼室に入り込み燃えてしまうオイル消費によるオイル量の減少や、反対に未燃焼の燃料がオイルに混ざるオイル希釈によるオイル量の増加を把握出来るようにするためです。
(「オイル消費によるエンジンへの影響」 ←詳しくはこちら)
今回は当社で初めてのオイル交換なので、オイルの増減は2回目以降に把握可能となります。
エンジンオイルはワコーズ プロステージS 0W-30。
ワコーズのオイル添加剤スーパーフォアビークル(S-FV・S)を2%添加しております。
次はCVTフルードの交換。
交換作業前にコンタミチェックを実施してCVT内部の異常摩耗の有無を点検します。
CVT(オートマ)にもクラッチがあり、クラッチが摩耗していると走行不能となるはずですが、フルードに摩耗粉が溶け込みCVTフルードが動力を伝達する役割を担うため症状が出ないことがあります。
その状態でCVTフルードを交換すると動力を伝えるものが無くなってしまうため症状が表に出てきます。
コンタミチェックによって内部の摩耗状況を確認するとともに、交換後の不具合を防ぐことができます。
コンタミチェックの結果は良好ですので、交換していきます。
使用油種はワコーズ セーフティスペック。
アイシンのATフルード・CVTフルードも値上がりしたので、価格差が少なくなりました。
オイルクーラーホースにATFチェンジャー(トルコン太郎)を接続して圧送式にて8L交換していきます。
8L交換完了です。
交換後、30分ほどCVTフルードを循環させて簡易クリーニングします。
透明感も出てきれいになりました!
油量を調整し、スキャンツールでCVTF劣化度をリセットして完了です!
エアクリーナエレメントの交換。
次回交換目安は4万㎞後です。
ラジエータキャップの交換。
冷却水が沸騰しないように圧力をかける部品です。
1,000円前後と安価ですが、重要な部品となってます。
トランスファオイルの交換。
少し隠れた位置にあるので少し交換しにくく写真がうまく撮れませんでした。
0.3Lちょっとしか入っていないですが、結構汚れていました。
リヤデフオイルの交換。
マグネット付きドレンボルトに付いている鉄粉をふき取って取り付けします。
廃油は0.5Lほどでトランスファオイルほどでは無いですが、汚れていました。
オイルを注入して油量を合わせて作業完了です。
エンジンリフレッシュの施工。
スロットルボディの手前から霧状の洗浄液を噴射して吸気系・燃焼室を洗浄します。
洗浄されにくい箇所をメンテナンスによってきれいに維持することでエンジンの燃焼状態をよい状態にします。
燃料系洗浄剤 フューエル1も添加すると洗浄効果がアップします。
(燃料の量が少ない場合はお客さまに給油前に添加していただいてます)
お次はエアコンリフレッシュの施工です!
エアコンガスの規定量は600g。
ボンネットなどにシールが貼付されているのでわかりやすいですね。
充填量や真空引き時間を設定してスタートすると、ガスを回収していきます。
回収量から推定される施工前のガス量は365gと40%位減っていたようです。
ガス回収後に30分の真空引き・ガス再生を行い、気密チェック・コンプレッサーオイル補充(今回は10ml)を行って、600g(今回は添加剤内のガス量50gを差し引いた550g)のガスを重量を管理して充填してエアコンリフレッシュ完了です。
エアコン用潤滑添加剤「パワーエアコンプラス」とエアコン用漏れ防止剤・蛍光剤「ドクターリーク」も添加しました。
エアコンフィルターも交換しました。
花粉やPM2.5の集塵や活性炭による消臭、ポリフェノールによるアレルゲン抑制効果があり、空気清浄機のフィルターのようなものなので、1万㎞ごとの定期交換をおすすめしてます。
その他にワイパーゴムの交換やご用命いただいていた部分の整備を行い、点検整備完了です!
ご入庫ありがとうございました!
【カテゴリー】WAKO'S プロステージS, エアコンリフレッシュ, エンジンリフレッシュ・RECS, 車検・点検